ポビドンヨード
(PVPI)とは
世界中で
感染対策に使われている
代表的な殺菌消毒剤の
有効成分のひとつ
主に昆布やワカメなどに含まれているミネラルの一種である「ヨード」と、毒性を下げ水によく溶けやすくする為に「ポリビニルピロリドン」という成分から作られます。ポビドンヨードは市販されている茶色のうがい薬や、手指を殺菌・消毒する医薬品の有効成分のひとつで、強い殺菌効果を持っており、さまざまな種類の細菌やウイルスに殺菌効果を発揮します。
ポビドンヨードは
なぜ効くの?
薄れることのない
殺菌効果だから
皮膚や粘膜に使える
殺菌効果
昔からヨードを含む消毒液はありました。その歴史は、第一次世界大戦までさかのぼります。しかし、皮膚への負担が大きいという問題がありました。そこで、ポリビニルピロリドンと合わせることにより刺激を抑えました。
皮膚はもちろん粘膜にも安心して使えるため、うがい薬としても使われています。水に溶かすと粘り気やとろみがつくので、皮膚や粘膜につけたときに流れにくくなり、成分が浸透しやすくなります。
耐性をもった
細菌・ウイルスにも攻撃
ポビドンヨードの殺菌力の強さのポイントは「細菌やウイルスを直接攻撃する」というところにあります。
薬の中には、繰り返し使っていると効き目が落ちてくるものがあります。それは、細菌やウイルスが、薬に対抗する力(耐性)を身につけるためです。
しかし、ポビドンヨードは、こうした耐性菌も殺菌し、繰り返し使っても、殺菌効果が薄れることはありません。そのため、ほかの薬への「耐性」を身につけた細菌やウイルスに対しても、ポビドンヨードなら攻撃することができるのです。
どんな時に
使えばいいの?
インフルエンザの
感染対策にも有効
ポビドンヨードは幅広い細菌やウイルスに効果を発揮します。たとえば、夏に増える食中毒は、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、ノロウィルス、サルモネラなどの細菌が原因になります。これらに対しても、ポビドンヨードは殺菌効果を発揮します。
また、あのインフルエンザウイルスにも、その殺菌力を発揮します。ほかにも、お子さんが感染すると難聴のリスクもあるおたふく風邪のウイルス、妊婦さんが感染に注意した方がよい風疹ウイルスにも、ポビドンヨードは効果的。ワクチン接種とともに、ポビドンヨードを感染対策として利用するといいでしょう。
ポビドンヨードの
色はなに?
水に溶けたときの
濃度がわかる茶色
ポビドンヨードが有効成分のうがい薬は「茶色」が特徴。これは、「ヨード」が水に溶けたときの⾊です。ヨードが少し溶けているときは薄い黄色になり、たくさん溶けているときは非常に濃い茶色になります。うがいや手洗いのときに効果を得るためには、適切な濃度で使うことが大切です。
また、この色があるおかげで、皮膚や粘膜を殺菌・消毒する時に、塗った範囲が色でわかりやすいというメリットもあります。
どんなところで
使われているの?
レストランなど
幅広く使用されている
私たちの強い味方
病院では、優れた殺菌効果に加え、即効性があり、長期間にわたって使っても効果が薄れないことから、幅広く利用されています。
また、学校や職場においても感染対策として非常に有効です。たくさんの人が集まるこれらの場所では、インフルエンザやおたふく風邪、風疹などの感染症が広がりやすいという点があります。ポビドンヨードをうがいや手洗いに利用すれば、感染対策の強い味方になるでしょう。家庭でも、ポビドンヨードは大いに役立ちます。食中毒や風邪対策として、使うといいでしょう。 さらに、食べ物を扱うレストランなどでも、「食の安全」を守るアイテムの一つとして、調理場や従業員の手指の消毒に、ポビドンヨードを活用できます。
このように、ポビドンヨードは身近な殺菌消毒剤として、さまざまな場面で用いられているのです。